2020年4月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位


日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
4月度の衛生委員会の資料になります。

4月度のテーマは「腸内環境について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!! 

令和2年4月度

衛生委員会資料

産業医 大瀬琢也

腸内環境を整えて、元気な毎日に


  • 腸の役割

・便に現れる腸の健康状態

みなさんはご自身の便についてチェックしていますか? 排便時に、便の状態を確認することは、自分自身の健康状態を把握するために役立ちます。
腸は、食道、胃に続く消化器の一つで、小腸、大腸に分かれています。これらの消化器から、私たちは食べた物に含まれている水と必要な栄養素を吸収し、残ったものを便として排泄します。
理想的なよい便は、いきまずにストンと出る黄色、または黄色がかった褐色です。便は、腸に長くとどまるほど硬くなります。また、黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内環境のバランスが悪くなっている状態です。腸内環境が悪くなっていると、便秘や下痢など「お腹の不調」が起こります。

  • 悪玉も善玉もある腸内細菌とは?

・腸内環境を左右する腸内細菌

腸内には、およそ1000種類、1001000兆個の細菌が住みついてるともいわれています。多種多様な菌の様子が花畑のようにみえることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。この腸内細菌には、腸によい働きをする善玉菌と、腸内で有害物質をつくる悪玉菌、どちらかの優勢な方に味方する日和見菌がいます。
腸内に生息している細菌の種類は、人によってまったく異なり、食べるものや生活習慣、加齢、ストレスなどによっても変化します。健康的な腸内環境は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が優勢で、腸内を弱酸性に保ちます。腸内が酸性に傾くと、悪玉菌が増殖できなくなり、有害物質が作られなくなります。また、悪玉菌には悪いイメージがありますが、肉類などのたんぱく質を分解し、便として排泄するという大切な働きをしてくれる、必要不可欠な存在でもあります。
私たちの腸では、毎日のように善玉菌と悪玉菌の勢力争いが起こり、腸内フローラのバランスは変化しています。

・善玉菌は免疫をより良く調整する能力がある

私たちの腸は、体を病原菌やウイルスから守る「腸管免疫」という免疫システムを備えています。腸内環境はこの免疫システムにも影響するため、病気に抵抗する免疫力を高めるためにも、善玉菌を増やし、腸内環境を良好にすることが大切です。

  • 腸内環境をよくする食べ物と運動

・善玉菌が喜ぶ乳酸菌や発酵食品

腸内環境は、食べたものに大きく左右されるので、食生活には注意が必要です。善玉菌を増やす方法は二つあります。一つは、ビフィズス菌や乳酸菌を含むヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、漬物などの発酵食品などを食べることです。善玉菌を腸内に増やすためには、毎日続けて食べると効果的です。
もう一つが、オリゴ糖や食物繊維を摂ることです。オリゴ糖や食物繊維の成分は、消化・吸収されることなく大腸まで達し、善玉菌のえさになって、菌の量を増やしてくれます。オリゴ糖は大豆やたまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなどに多く含まれます。

 

・運動すると腸も活動的に

腸内環境を整えるには、腸そのものを動かす習慣をつけることも重要です。適度な運動は、体を振動し筋肉も動かすので、腸内の便の動きをサポートしてくれます。便を送り出すためには、腹筋や、体の深部にある腸腰筋が後押ししてくれるので、ウォーキングなど下半身の運動を増やすよう心がけましょう。エレベーターを使わずに階段を使ったり、いつもより遠い店まで歩いて買い物に行ったり、一駅手前で電車を降りて歩いたり、ちょっとした行動を変えてみると、運動量を増やすことができます。
また、十分な睡眠や朝食を摂ることでも、腸内のリズムが整います朝の目覚めに一杯の水や白湯を飲むと、大腸の反射を促すことができるのでおススメです。