衛生委員会資料従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
1月度の衛生委員会の資料になります。
1月度のテーマは「血圧について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
令和2年1月度
衛生委員会資料
産業医 大瀬琢也
血圧を上げない生活習慣を心掛けましょう
血圧を上げないための生活習慣!
日ごろから血圧の管理はできていますか。成人における血圧値の分類で「至適血圧」とされるのは
収縮期血圧が120mmHg未満かつ拡張期血圧が80mmHg未満です。
冷え込みが増すこの時期、身体は寒さを感じると体温の発散を防ぐために血管が収縮して
血圧が上昇しやすくなります。運動不足や食生活の乱れからくる肥満も血圧を上昇させる一因です。
高血圧は放置していると動脈硬化、心臓病や脳卒中という命をおびやかす疾患のリスクが高まります。生活習慣を見直して血圧を上げない生活を心がけましょう。
こんな生活習慣が血圧を上げる
国民健康・栄養調査によると、30歳以上の日本人男性の60%、女性の45%が高血圧(病院や健診施設
などで測定した収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上、または降圧薬を服用中)
(自宅で測定する家庭血圧では、それより低い135mmHg以上または85mmHg以上)が高血圧と判定されました。
高血圧の90%は原因不明とされていますが、次のような生活習慣が血圧を上げることが分かっています。
血圧と塩分の関係
塩分を摂り過ぎると血液中の塩分濃度を下げるために水分摂取が増えます。
その結果として血液量が増加し、心臓から送り出される心拍出量が増え、血圧が上がります。
肥満は血圧上昇を招きやすい
高血圧は肥満の人に多く見られます。肥満になるとインスリンの働きが悪くなり、インスリンが
過剰に分泌されるようになります。インスリンは本来、血液中の糖をコントロールする働きを
しますが、交感神経を刺激するために血圧が上がります。
喫煙や過度の飲酒、運動不足と血圧
喫煙は血管を収縮させるために血圧が上がります。飲酒は量が多いほど血圧の平均値が上がり、高血圧リスクが高まります。また、飲酒は食欲を増進させるためカロリーオーバーになりがちなので、肥満を招きやすくなります。運動不足も高血圧の環境要因の一つとされています。
自律神経の乱れ
血圧は交感神経と副交感神経がバランス良く働くことでコントロールされています。
ストレスや睡眠不足、不規則な生活は自律神経の乱れを招き、
血圧を上げる交感神経が優位となり、血圧を上げてしまいます。
血圧を上げない生活習慣
- 1日の塩分摂取量は7~8gがめやす
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、男性8g未満、女性7g未満としていますが、実際は平均11.0gとオーバーしています。味付けはできるだけ薄味を心がけましょう。
減塩のコツとしては、汁物はだしをしっかり取ると調味料が少なくすむほか、味付けには、香辛料やハーブ、
かんきつ類を上手に利用することが挙げられます。
また、味噌汁は1日1杯にし、麺類は汁に塩分を多く含むためできるだけ残しましょう。
塩分の多いインスタント食品、加工食品は避けましょう。
- カリウムをとる
また、カリウムや食物繊維には塩分を排出するはたらきがあります。
カリウムはりんごやバナナといった果物をはじめ、野菜やイモ類、海藻などに、食物繊維は海藻類、
根菜類に多く含まれています。
- 食事は1日3食、規則正しくとろう
不規則な食事や食べ過ぎ、早食いなどは肥満につながります。量は腹八分目にとどめ、
1日3回規則正しくとりましょう。
- タバコを吸わない、お酒はほどほどに
タバコを吸うと、末梢血管が収縮するため血圧が上がります。
お酒の飲み過ぎは血圧の上昇、カロリー過多を招きます。
[お酒の適量]
厚生労働省では、1日平均純アルコールで20g程度をお酒の適量としています。
これは、「ビール中ビン1本」「日本酒1合」
「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」に相当します。
- お風呂はぬるめの湯でリラックス
あつい湯は血管を収縮させて血圧が上がります。湯加減は冬場でも40℃前後のぬるめにしましょう。ぬるめの湯は身体をリラックスさせ、血圧を下げる効果があります。
- 脱衣所やトイレなどの室温差に気を付ける
急激な温度変化は血圧にとってよくありません。脱衣所やトイレには暖房を入れる、
夜中のトイレには上着を羽織ってから行くなど、温度変化を緩和する工夫が必要です。
- ストレスを溜めない
ストレスは交感神経を刺激し、血圧を上げる原因となります。自分に合ったリラックス法を見つけ、上手にストレスをコントロールしましょう。
- しっかり睡眠を取る
睡眠中の血圧は低くなります。睡眠不足になると血圧が高い状態が続き、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
- 適度な運動を取り入れる
ウォーキングや水泳といった有酸素運動は血流が良くなるうえ、降圧作用のある体内物質やホルモンの分泌を促します。運動の効果は降圧だけではなく、肥満の改善、耐糖能障害や脂質代謝の改善、ストレス解消にも役立ちます。