衛生委員会資料従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
6月度の衛生委員会の資料になります。
6月度のテーマは「脱水・熱中症について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
令和元年6月度
衛生委員会資料
産業医 大瀬琢也
脱水・熱中症にご注意を!
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今こそ気をつけて!
夏本番を前に、じっとりした湿気とともに気温もぐんぐん上昇する6~7月。体が暑さに十分順応できていないこの時期から夏に向けて、特に注意したいのが「熱中症」です。
熱中症は、気温や湿度の高い環境(暑熱環境)下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなってしまったために現れるさまざまな症状の総称です。消防庁が発表した平成28年夏期(5~9月)の熱中症による救急搬送人数は実に5万人以上にのぼり、うち50人以上の人が命を落としています。
梅雨明け前後をピークとして、時間や場所を選ばず、赤ちゃんから高齢者まで誰にでも起こりうる熱中症。どんな病気かを知って対策し、この夏を元気に過ごしましょう。
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知っていますか? 熱中症のこんな症状
気温が高くなると、私たちの体は汗をかくことによって体内の熱を逃し、体温を一定に保とうとします。ところが、汗を大量にかきすぎると、今度は体内の水分や塩分が不足して脱水状態となり、めまいや立ちくらみなどの、熱中症の初期症状が現れ始めます。
熱中症の分類と症状
重症度 |
主な症状 |
軽度 |
大量の発汗。めまいや立ちくらみ、生あくびなど、脱水症状が主。筋肉痛やこむら返りがみられることもある。 |
中等度 |
汗が出なくなり、体温が上昇する。頭痛や吐き気・嘔吐、だるさ、意識が遠のく(集中力や判断力の低下)。 |
重度 |
さらに体温が上昇し、けいれんや呼びかけに応じない意識障害や昏睡などが起こる。さらには内臓の障害が起こり、命にかかわる状態になる。 |
資料:「日本救急医学会熱中症分類2015」をもとに作成
熱中症の重症化を防ぐには、「もしかして熱中症かも…?」と疑ったときの早めの対応が大切です。周りの人に熱中症が疑われる症状があった場合には、まずは次のことを確認しましょう。
- 意識があるか?
- 水分を飲めるか?
意識がしっかりあり、水分の摂取もできるようなら、応急手当で回復が見込めます。意識がぼんやりしていたり、動けず、水分を摂れない状況であれば、迷わず救急車を要請し、救急車を待つ間、応急手当を行います。
熱中症の応急手当
- 日差しを避けて涼しい場所に運び、衣類を緩めて安静にさせる
- エアコンをつけたり、うちわや扇風機などで体に風を送り、冷やす
- 太い血管の通っている首やわきの下、太ももの付け根を冷やす
- 水分(できれば経口補水液*やスポーツドリンク)を少しずつ何度も飲ませる
*脱水時や熱中症が疑われるときの水分摂取に適した、塩分と糖分をバランスよく含む飲料。
(ご自身に熱中症が疑われる症状があった場合にも、涼しい場所へ移動し、体の冷却、水分補給を行いましょう)
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脱水の予防は血管病の予防にもなる!
熱中症の始まりは体の水分不足、つまり脱水です。暑さで水分が失われやすい夏季には特に意識して、こまめな水分補給を心がけ、脱水・熱中症を予防しましょう。
また、脱水は血管に負担のかかる状態です。体内の水分が不足すると、血液の濃縮度も増し、血栓がつくられやすい状態になります。特に高血圧などで動脈硬化が進行している人では、脳卒中や心筋梗塞を起こす要因になる可能性があります。こうしたことからも、日頃から水分を上手に摂取する習慣をもち、脱水を防ぐことが大切です。
水分の上手なとり方
- 平常時の水分摂取に最適なのは、常温に近い温度の水
- 1日のめやす摂取量は1.5L程度
- ゆっくり少量(150~200mL)ずつ、7~8回にわけてこまめに飲む
- 特に体から水分が失われやすい次のタイミングでの補給を忘れずに!
①起床時 ②運動の前後 ③入浴の前後 ④就寝前
(病気療養中で水分摂取制限のある方は主治医の指示に従ってください)
脱水や熱中症は屋外だけでなく屋内にいても起こります。室温が28℃を超えないようエアコンや扇風機を上手に使ったり、日頃から栄養バランスのよい食事や十分な休息をとり、暑さに負けない体をづくりをしていくことも、脱水や熱中症の予防になります。できることから実践して、元気な夏を迎えましょう!