2019年3月度 衛生委員会からのお知らせ

衛生委員会資料従業員 各位


日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
3月度の衛生委員会の資料になります。

3月度のテーマは「日本人のがん予防について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!! 

平成313月度

衛生委員会資料

産業医 大瀬琢也

 

 

「がん」とは?


人間の体は、多くの細胞からできています。その細胞は、毎日、遺伝子をコピーして新しく生まれ変っていますが、その過程で遺伝子に傷がつき、異常な細胞ができることがあります。これが細胞の突然変異です。こうした“コピーミス”でできた細胞が増殖して体を弱らせてしまう状態が「がん」という病気です。

日本人のがんの特徴


一生のうち2人に1人がかかる、他人事ではない病気

1981(昭和56)年以降、「がん」は日本人の死因の第一位となっている病気です。また、毎年30万人以上の人が「がん」で亡くなっています。生涯のうち、国民の2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなっています。

 

  日本人に多くみられるがん

日本人に多くみられる「がん」は、「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「前立腺がん」「肝臓がん」「乳がん」「子宮がん」などがあげられますが、近年では「大腸がん」「前立腺がん」「乳がん」などが増加している傾向が見られます。また、「子宮がん」のうち「子宮頸がん」は2030歳代で増加しています。

がん死亡数・患者数を男女別にみると以下のようになります。

  • 2016年の死亡数が多い部位は順に

 

1位

2位

3位

4位

5位

男性

大腸

肝臓

膵臓

女性

大腸

膵臓

乳房

男女計

大腸

膵臓

肝臓

 


  • 2013年の罹患数(全国推計値)が多い部位は順に

 

1位

2位

3位

4位

5位

男性

大腸

前立腺

肝臓

女性

乳房

大腸

子宮

男女計

大腸

乳房

前立腺

 

 

 

  • 科学的に有効であると厚生労働省が推奨する5つのがん検診

 

「早期発見・早期治療」が大切

がん患者が増える一方で、医学の進歩により治療技術や薬も開発が進んでいます。何といっても、がんは早期発見・早期治療がカギとなります。定期的にがん検診を受け、早期発見・早期治療することで、がんによる死亡を今よりも減らすことができます。厚生労働省では、がん検診の受診率を50%以上とすることを目標に、がん検診を推進しています。

 ■がん予防のための生活習慣改善のポイント

がんの主たる要因は生活習慣


がんは、さまざまな要因が長い年月にわたって影響して発症する病気です。この要因として、喫煙や食生活、飲酒、運動不足といった生活習慣による影響が大きいといわれています。

 

「禁煙」と「食習慣改善」がキーポイント


がんは生活習慣によるところが大きいわけですが、中でもキーポイントとなるのが「禁煙」と「食習慣改善」です。

喫煙は、たばこを吸う人のみならず身近にいて煙を吸う人(受動喫煙者)のがんのリスクも高めます。喫煙によって起こりやすいがんは「肺がん」のみならず、「口腔がん」「咽頭がん」「食道がん」「膵臓がん」など多種あります。今すぐに禁煙を始めましょう。

一方、食習慣の改善のために、塩分や動物性脂肪が高い食品を控え、野菜や果実を十分に摂取することも大切です。栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。

感染による原因がもとで発症するがんを予防するために


 がんの中にはウイルスや細菌に感染することでがんを発症するケースもあります。ウイルスの感染を予防するワクチンを接種したり、ウイルスや細菌等に対して早期治療を行うことで出来るがん予防があります。

 たとえば、日本では、肝細胞がんの約60%がC型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染、約15%がB型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染に起因すると試算されています。このため、日本の肝がんの予防としては、肝炎ウイルスの感染予防と、持続感染者に対する肝がん発生予防が柱となります。